こんばんは、でんです。
今回は、うつ病と持続性気分障害の違いについて説明します。
どちらも気分が落ち込むという共通点を持つ精神疾患ですが、その特徴や経過にはいくつかの違いがあります。
症状の深さ
うつ病
強い悲しみや絶望感、無気力、興味の喪失といった症状が非常に強く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。仕事や家事、人間関係などが困難になり、自殺念慮を抱く人もいます。
持続性気分障害
うつ病に比べると症状は比較的軽度ですが、慢性的に続くため、長期間にわたって生活の質を低下させます。例えば、「いつも少し元気がない」「やる気が出ない」といった状態が慢性的に続きます。
症状の期間
うつ病
症状が2週間以上続く場合にうつ病と診断されます。
持続性気分障害
症状が2年以上続く場合に診断されます。
症状の波
うつ病
明確な発症時期があり、数週間から数ヶ月で回復する場合もあります。症状の波がはっきりしていることが特徴です。
持続性気分障害
症状が慢性的に続き、緩解と悪化を繰り返します。うつ病ほどの激しい波はなく、比較的平坦な状態が続きます。
診断
うつ病と持続性気分障害は、症状が似ているため、診断が難しい場合があります。どちらも気分の落ち込みを主な症状としますが、その持続期間や重症度、その他の症状などに違いが見られます。
診断のための評価項目
- 症状: 気分の落ち込み、意欲の低下、睡眠障害、食欲の変化、集中力の低下など、具体的な症状とその程度について詳しく聞きます。
- 症状の期間: 症状がいつ頃から始まり、どれくらいの期間続いているかを確認します。
- 症状の波: 症状が常に一定であるか、それとも波があるのかを確認します。
- 日常生活への影響: 症状が仕事や人間関係、日常生活にどのような影響を与えているかを確認します。
- 既往歴: 過去の病気や治療歴、家族に精神疾患の患者がいるかなどを確認します。
- 現在の生活状況: ストレスとなる出来事や生活習慣など、現在の生活状況について詳しく聞きます。
また診断には、国際的に共通の診断基準である「精神疾患の診断と統計マニュアル(DSM-5)」が用いられます。
- うつ病:2週間以上、ほとんど一日中、抑うつ気分が続き、日常生活に支障が出る場合に診断されます。
- 持続性気分障害:2年以上、ほぼ絶え間なく抑うつ気分が続く場合に診断されます。
この他にも診断を確定するために、血液検査や脳の画像検査が行われることがあります。これらの検査は、他の身体的な病気や脳の異常がないかを確認するために行われます。
診断のポイント
- 症状の経過: 症状の始まり方、変化の仕方、持続期間などを詳しく調べることで、うつ病と持続性気分障害を鑑別します。
- 症状の重症度: うつ病の方が、症状がより重く、日常生活に大きな支障をきたすことが多いです。
- 併存する症状: 不安、不眠、集中力の低下などの併存する症状も、診断の参考になります。
- 過去の病歴: 過去の精神疾患の有無や、治療歴も診断のヒントになります。
細かく書いているときりがないのですが、とにかくいろんな角度で患者様のことを診て診断を下します。
正確な診断を下すのに患者様のことを深く知る必要があることから、うちの先生は精神科はKing of Medicineと言っていました。
両者の関係性
二重うつ病
うつ病の症状の上に、持続性気分障害が重なる状態を「二重うつ病」といいます。治療が難しく、再発しやすい傾向があります。
合併症
両疾患とも、不眠、不安障害、アルコール依存症などを合併することがあります。
どちらの病気かわからない場合
どちらの病気かわからない場合、まずは専門の医療機関を受診することが大切です。医師は、症状の詳細な聞き取りや、必要に応じて検査を行うことで、正確な診断を下します。
まとめ
この記事は、一般的な情報提供を目的としており、医療的なアドバイスではありません。病気の診断や治療については、必ず医師にご相談ください。
うつ病と持続性気分障害は、どちらも治療が必要な病気です。しかし、それぞれの病気の特徴や治療法は異なります。ご自身の症状に心当たりがある方は、一人で悩まずに、専門の医療機関を受診しましょう。
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